ポリヴェーガル理論と原因不明の病の関係性について

こんにちは。院長の朝日山です。だいぶ久しぶりの投稿となりました。

タイトルを見ると少々専門的なように見えますが、少々なのでお付き合いいただけたらと思います。笑

当院は指定難病患者さんや原因不明の患者さん等、様々な施術を行っています。

私は、この原因不明な症状の多くは自律神経が長年にかけて乱れたことが原因で起きている、頸椎のズレにより迷走神経の出てる延髄に影響があると考えてきました。そしてそこにアプローチする施術を行なってきました。

治療の効果はとてもわかりやすく好転し、患者様が何よりも実感されていました。

そこで日々模索しながら出会ったのが、スティーブン・ポージェス氏が提唱する”ポリヴェーガル理論”です。

自律神経はよく耳にされていると思いますが実際どういうものかよくわからないですよね。自分の意思では自由にできない機能を起きている間も寝ている間も全く無意識のうちにコントロールしてくれるのが自律神経です。

自律神経は2種類で構成されています。副交感神経と交感神経です。

副交感神経はリラックスさせるもの、休息と弛緩です。交感神経は覚醒と緊張が主です。

ショックによる失神やパニック状態、動けなくなってしまう不動の状態などは、今までの自律神経の働きでは説明がつきませんでした。これは凍りつき反応であり、延髄から腹側迷走神経複合体と背側迷走神経複合体が働くからという理論です。

動物で食うか食われるかの瀬戸際で、逃げることができなくなった究極のストレス反応が死んだふりにあたります。ストレスに対してギリギリのバランスを交感神経と腹側迷走神経で行なっています。もう駄目!と限界を超えた時に働くのが背側迷走神経複合体の役目です。人間では迷走神経が働いて心臓は徐脈、呼吸性洞性不整脈になり失神が起こります。魚由来の聴一側線系(魚が水の振動を感知するところ)は延髄だったということもとても重要で、私が施術をしたパニック障害や難病の患者さんは耳鳴りの症状の方が多く、痛みや発作にとても関連があると思っていた内耳・半規管の問題もつながりました。

第8脳神経の内耳神経は感覚性であり副交感神経由来ではありません。しかし、第7脳神経の顔面神経は副交感性で内耳神経と共に内耳孔に入ることから互いの連絡性を感じます。

また第10脳神経の迷走神経は副交感とは別の感覚性の働きで外耳・内耳を支配しています。目からの情報一つとしては縮瞳と焦点を調整させる瞳孔括約筋の動眼神経は副交感性であり、瞳孔散大筋は交感神経の支配です。

まだまだあると思われる脳神経と自律神経の不具合による病。ですが自律神経失調症とも違った原因不明の病と言わざるをえない病が多々あるのが現状です。

難病や原因不明と診断され当院へ来られた患者さんに対し、自分が自律神経と脳神経を重点的に考えた施術で改善や完治できたのはこのポリヴェーガル理論であったと心底納得をしました。もちろん、基本の脈診は身体の訴えとしてとても重要かつ施術者へ教えてくれるものなので必須です。

「先生が倒れたら私が困るから休みは取ってよ。」と患者さんからよく言われます。

今後も自分の身体を大事に休みと運動、食事に気をつけて施術治療に励んでいきたいと思います。

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