日々の忙しさに追われて久しぶりに書いてます院長の朝日山です。
AIがこれからどのように広まっていくのか。
そんな時代に私の施術する鍼、お灸はなんてアナログな世界なんだろうかと思います。でも音楽を聴くならbluetoothよりCD、それよりレコードやカセットが好きな自分はつくづくアナログ人間だな~と思います。
最近知ったことですが、昭和の名灸師と言われる深谷伊三郎と言う大先生がいます。
そのお孫さんが落語家の立川志らくさんだったとはラジオで知りまして大変びっくりしました。(余談です。笑)
お灸の思い出といえば、私が小学6年の時に他界した祖母です。
私の家の近くに住んでいた祖母は指圧とお灸を多くの方々へ施術していました。私も幼い頃から、よく施術を受けていました。
当時はお灸と指圧を受けるのが怖くてほんとに嫌でした。笑
祖母のお灸は変わった手法で大根を5ミリ位に輪切りしてその上にもぐさを据えるもので、熱くなるまでもぐさを据えます。悪いところほど火が通りにくく熱さを感じずらいと言っていたのを不思議に思って聞いてました。
学生時代の先生や鍼灸師の先生方にこの大根灸の事を聞いてきましたが知っている方は居ませんでした。ニンニク灸や塩灸等はメジャーですが、大根を使った理由を祖母から直接聞いていなく、当時は貧しくてニンニクを大量に使えなかったからだろうと父が言っていました。
祖母は手で触れると、身体の弱いところが解る人でした。子供の自分に将来お腹を切るので胃腸に気をつけるようにとよく言っていました。
そして20代の時、虫垂炎でお腹を切ることになったのです。
他にも逸話は色々あるのですが、特に凄いな~と思ったのは、舌癌の末期で病院からもう出来る事は無いと言われた私の伯母のことです。
伯母は泊まり込みで毎日全身にお灸を受けていました。正確な期間は覚えていませんが1ヶ月以上は続けたと思います。
そしてついに、諦めていた舌癌が完治したのです。親族みんな、そして何より伯母本人がそれはそれはビックリしていました。
お灸ってすごいなぁ、位にしか思ってなかった自分が、まさか鍼灸師になるとは。いえ、むしろそんな祖母の姿を見ていたから自分は鍼灸師になったのかもしれません。
患者さんの治療効果がなかなか現れず、古書を読み治療ヒントを得ようとしてもなかなか答えが出ずにいる時、「祖母ならどうするか?」と考える時があります。
脳血管後遺症による麻痺側感覚と運動障害がある患者さんへお灸をすると熱が通った時に勝手に手足が動く反応が見られます。手足へお灸をして顔まで熱を感じると患者さんが良く言います。また、不眠症や高血圧等にも効果がすぐ現れてきます。
お灸は他の病への効果や免疫細胞を増加させる効果があると現在は分かっています。
今となっては祖母に聞きたいことは山のようにありますが、自分で得た知識や手の感覚・経験を信じ、時には祖母の記憶を支えに日々感謝し、楽しみながら施術をしています。
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